習慣化のコツ:研究に基づく、習慣を身につける7ステップ

習慣化のコツは、小さな行動をひとつ、毎日同じきっかけのあとに繰り返し、自動的にできるようになるまで続けることです。新しい習慣を身につける手順と、現実的にかかる期間を順に見ていきましょう。

注目の数字

  • 66日実生活での研究で、自動性が最大値の95%に達するまでの中央値2
  • 18〜254日同じ研究での個人差の幅1
  • d = .6594件の検証における「if-thenプラン」の目標達成への効果5

習慣化のコツ:結論から

習慣化のコツはシンプルです。小さな行動をひとつ選び、毎日必ず出会うきっかけと結びつけ、自動的に感じられるようになるまで同じ状況で繰り返します。これは習慣の研究者がすすめる基本そのものです。選んだ行動を同じ文脈で繰り返し、自動的で努力のいらないものにしていきます。4

やる気は始めるきっかけにはなりますが、長続きはしません。意志の力に頼る状態から「自動運転」へと切り替えてくれるのは、安定した文脈での繰り返しです。以下の7つのステップで、この考え方を今日から始められるプランに落とし込みましょう。

なぜ習慣にする価値があるのか

心理学でいう習慣とは、時間・場所・直前の行動など、結びついたきっかけによって自動的に引き起こされる行動のことです。4行動がその段階に達すると、「やるかどうか」をいちいち決める必要がなくなります。

習慣はすでに1日の大きな部分を動かしています。大学生を対象に1時間ごとに日記をつけてもらった2つの研究では、挙げられた行動の3分の1から半分が習慣でした。1つ目の研究で35%、2つ目で43%です。3習慣的な行動をしている間、参加者はたいてい別のことを考えており、習慣的でない行動のときよりもストレスが少ないと報告していました。3

これこそが見返りです。新しい行動が、いずれほとんど頭を使わずにできるようになります。

習慣が身につくまで、本当は何日かかる?

もっともよく知られた研究では、96人のボランティアがそれぞれ食べる・飲む・体を動かす行動をひとつ選び、12週間、毎日同じ文脈で実行しました。1データをモデル化できた参加者では、自動性が最大値の95%に達するまでの中央値は66日、幅は18日から254日でした。12

20件の研究・参加者2,601人を対象とした2024年のシステマティックレビューも、似た結果を示しています。中央値は59〜66日、平均値は106〜154日で、個人差は大きく4〜335日でした。2結論は、習慣はおよそ2か月以内に形成され始めることがあるものの、かかる時間は人によって大きく異なる、というものです。2

シンプルな行動ほど早く自動的になる傾向もあります。水を飲むような行動は、腹筋50回のような手間のかかるルーティンより早く自動性がピークに達しました。4

新しい習慣を身につける7つのステップ

1. 本当にやりたい小さな習慣をひとつ選ぶ

「健康になる」ではなく「コップ1杯の水を飲む」のように、具体的な行動をひとつだけ決めます。2024年のレビューでは、自分で選んだ習慣のほうが習慣の強さが高い傾向にありました。2大きくて立派な目標より、小さくてシンプルな行動のほうが続きます。

2. 毎日必ず出会うきっかけに結びつける

毎日必ず起こる時間と場所、またはすでにあるルーティンを選び、その直後に新しい行動をします。4レビューに含まれたある研究では、決まった時刻(午前9時)とルーティンのきっかけ(朝食のあと)は、ほぼ同じくらい効果がありました。2

3. 「if-thenプラン」を書く

きっかけを一文にします。「朝食を食べ終えたら、スクワットを10回する」。このようなプランは「実行意図」と呼ばれます。94件の独立した検証をまとめたメタ分析では、目標達成に対して中程度から大きな効果がありました(d = .65)。5

4. 文脈を安定させる

毎回同じ状況で習慣を行いましょう。同じ文脈で一貫して行動した人ほど、強い習慣が形成されていました。2自動性がもっとも大きく伸びるのは最初の繰り返しなので、はじめの数週間がいちばん大切です。2

5. 朝に行うことも検討する

毎日のストレッチを対象にしたある研究では、夜(平均154日)より朝(平均106日)のほうが早く習慣になりました。2これはひとつの研究にすぎないので、ルールではなくヒントとして受け止めてください。朝がバタバタしがちなら、不安定な朝のきっかけより、安定した夜のきっかけのほうが向いています。

6. 進み具合を目に見える場所で記録する

138件のランダム化研究(参加者19,951人)を対象にしたメタ分析では、進み具合のモニタリングを増やす介入が目標達成も高めていました(d = 0.40)。6進み具合を実際に記録した場合や、他の人に報告したり公開したりした場合に、効果はより大きくなりました。6

7. できなかった日に備え、気長に続ける

2010年の研究では、1回機会を逃しても習慣形成のプロセスに大きな影響はありませんでした。1大切なのは翌日に戻ることです。数週間から数か月かかるものと考え、カレンダーの日付ではなく、習慣がどれだけ自動的に感じられるかで進み具合を判断しましょう。

1日できなかったときの対処法

1日できない日があるのは普通のことで、研究からはそれで積み重ねがリセットされるわけではないことがうかがえます。14本当に怖いのは、1回の休みが1週間に延びてしまうことです。

  • 次のきっかけで、ごく小さなバージョンでもいいので習慣を行う。
  • 何が妨げになったかを振り返り、きっかけや習慣の大きさを調整する。
  • 「取り戻し」のための追加はしない。普段のプランに戻るだけでOK。

今日やること

  1. 身につけたい習慣をひとつ選び、2分以内でできる大きさまで小さくする。
  2. 毎日のきっかけを決める:時間、場所、またはすでにしていること。
  3. プランを書く:「[きっかけ]のあとに、[習慣]をする」。
  4. きっかけの時刻にリマインダーを設定し、毎日の記録方法を決める。
  5. 今日1回やって、チェックをつける。

よくある質問

習慣が身につくまでどれくらいかかりますか?

よく知られた研究では、ほぼ最大の自動性に達するまでの中央値は66日でしたが、個人差は18日から254日まででした。2024年のシステマティックレビューは、習慣はおよそ2か月以内に形成され始めることがあり、人による差が大きいと結論づけています。

1日休むと新しい習慣は台無しになりますか?

いいえ。2010年の研究では、1回機会を逃しても習慣形成のプロセスに大きな影響はありませんでした。次のきっかけで再開しましょう。

習慣は21日で身につくというのは本当ですか?

それを裏づける確かな根拠はありません。「21日」は美容整形の患者についての体験談に由来するとみられ、習慣の研究ではおよそ2か月かそれ以上という結果が出ています。

習慣はいくつ同時に始めるべきですか?

小さな習慣ひとつから始めると、きっかけもプランも記録もシンプルに保てます。1つ目がある程度自動的に感じられるようになったら、次を加えましょう。

出典

この記事の数字はすべて以下の研究に基づいています。本文の番号をタップすると出典に移動します。

  1. Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009. doi.org/10.1002/ejsp.674
  2. Singh, B., Murphy, A., Maher, C., & Smith, A. E. (2024). Time to form a habit: A systematic review and meta-analysis of health behaviour habit formation and its determinants. Healthcare, 12(23), 2488. doi.org/10.3390/healthcare12232488
  3. Wood, W., Quinn, J. M., & Kashy, D. A. (2002). Habits in everyday life: Thought, emotion, and action. Journal of Personality and Social Psychology, 83(6), 1281–1297. doi.org/10.1037/0022-3514.83.6.1281
  4. Gardner, B., Lally, P., & Wardle, J. (2012). Making health habitual: The psychology of ‘habit-formation’ and general practice. British Journal of General Practice, 62(605), 664–666. doi.org/10.3399/bjgp12X659466
  5. Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation intentions and goal achievement: A meta-analysis of effects and processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119. doi.org/10.1016/S0065-2601(06)38002-1
  6. Harkin, B., Webb, T. L., Chang, B. P. I., Prestwich, A., Conner, M., Kellar, I., Benn, Y., & Sheeran, P. (2016). Does monitoring goal progress promote goal attainment? A meta-analysis of the experimental evidence. Psychological Bulletin, 142(2), 198–229. doi.org/10.1037/bul0000025

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的助言ではありません。

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